インフルエンザ、いつまで仕事休めばいいの?
毎日、寒さが身に染みる季節、外来では多くのインフルエンザの患者さんが訪れています。症状は突然の発熱、その後に咳がみられるパターンが最も典型的ですが、普通の風邪と変わらず鼻汁やのどの違和感などが先行するケースもあります。また感染者の約3分の1は38℃以下のため、高熱だけで鑑別することは不可能です。疑わしい場合には積極的に検査を受けましょう(参照:かがやきニュース平成27年12月21日)。
さて、インフルエンザと診断されると、間違いなく聞かれるのが、「職場、いつまで休めばいいの?」という問いです。感染力は発症前日から1週間近くあります。健常者で治療を受けていても、5日程度はウイルスを排泄します。免疫力の低下した人では、ウイルスのクリアランスや免疫細胞であるリンパ球の活性低下に伴い、10日以上ウイルスの排泄が続くこともあります。
学校保健安全施行規則における出席停止期間では、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」という基準があります。職場の就業規則を確認しましょう。もし決められていない場合には、感染性保有期間や学校での取り組みを参考に、職場の上司とよく相談して決めてください。
流行期の休校日数別の再休校学校数の集計を見ると、休校期間を数日取れば再休校の流行がほとんど起きていません。
インフルエンザの潜伏期間は1日〜3日と感染性保有期間より短いので、学校における出席停止期間が妥当という裏付けとも言えるでしょう。
ただし、咳など呼吸器症状は数日では治まらず、10日以上続くことも稀ではありません。
咳が続く場合には、「咳エチケット」としてマスクをして(参照:かがやきニュース平成28年1月25日)、外出や勤務をするようにしましょう。
なお、3週間近く経っても咳が続く場合には、他の感染症の合併や咳喘息などのことがありますので、医療機関を受診しましょう。
平成29年1月10日