例年以上に流行、マイコプラズマ肺炎

晩秋から早春にかけて罹患する人が多くなるマイコプラズマ肺炎、今年はクリニックでも既に何人か受診されています。この1年間の流行状況を過去5年間と比較してみても、平均を大きく上回っています。そしてこれからのシーズン、インフルエンザの流行と重なるため、注意が必要です。

今年の流行は? 過去5年間との比較

発熱、倦怠感などの症状がでて、3〜5日後に咳が出始めます。当初は痰が絡まない乾いた咳で、強く長く続きます。聴診で呼吸音の異常がないこともあり、また重篤感もないため、風邪と誤診されて治療が遅れることがあります。積極的な胸部X線や検査が必要です。

非定型肺炎(マイコプラズマ肺炎)の特徴

従来から病原体であるマイコプラズマを捉える検査がなく、体内で反応する抗体価を、症状のある時と病状が回復してからの2回の採血で評価するという利用度の低い検査しかありませんでした。

今年4月にマイコプラズマ抗原を捉える感度の高い検査が保険適応となりました。しかも、咽頭後壁をぬぐい、15分程度で結果がでます。クリニックでは富士フィルムの銀増幅技術を応用した抗原迅速診断キットを採用しました。

富士ドライケム IMMUNO AGカートリッジMyco 専用デンンシトメトリー装置の組み合わせ

昨年の12月21日のニュース、インフルエンザの早期診断で紹介した原理と同じです。
マイコプラズマは典型的な肺炎の原因菌と違い、細胞壁を持っていません。そのため、感染症に精通していない医師が風邪でもなぜかよく処方するセフェム系の抗菌薬は効きません。

迅速に診断しマクロライドを、またマクロライド耐性マイコプラズマに対してはテトラサイクリンもしくはキノロン系抗菌薬を使う必要があります。なお、病原体の排泄は、発病数日前から発症数週間は続きます。感染様式は飛沫と接触感染と考えられています。感染力は弱いですが、濃厚に接触する家族や友人間でヒトからヒトへうつるため、コップやタオルの共用は避けて、マスクの利用やお互いに1m程度の距離感は保ちましょう。

平成28年11月24日

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