ジカ熱、感染経路・症状は多彩!
あと1週間でリオデジャネイロ夏季オリンピックが開催されます。一部の選手の中にはジカ熱感染の危険をオリンピック辞退の理由にあげる異常事態です。この夏の祭典の終了とともに流行地域である南米から日本へ多くの帰国者、同時にジカ熱が海を渡ってくると想定し対策を考えておくべきです。
ジカ熱の原因となるウイルスが発見されたのは、半世紀以上前の事ですが、WHOが緊急事態宣言を今年の2月に出したようにここ1、2年の間に南米で急速に拡散しました。
国内の空港における検疫ブースではサーモグラフィーで発熱者の監視を行っています。しかし感染して2〜12日の潜伏期を経て発症するのは約2割の人のみです。ウイルスが体内にいても8割の人は症状はでません。さらに有症状者のうち、発熱のある人は4割以下です。むしろ斑状丘疹が特徴的です。
ただし症状は多彩でその流行地域は、デング熱やチクングニア熱(2015年8月17日かがやきニュース参照)と重なり、鑑別は困難です。そのため、出血傾向のあるデング熱との鑑別がつくまでは、発熱時にはアセトアミノフェン以外は危険です。血液や尿からのウイルス分離や遺伝子検査が必要になります。
感染経路として、胎盤や産道を介して子供に感染、男性精液を介しての性交渉での感染も忘れてはいけません。流行地域から帰国後、8週間はコンドームを使うようにしましょう。
そして、日頃から感染をしないよう蚊に対する対策が重要です(2015年8月5日かがやきニュース参照)。DEETやイカリジン含有の虫よけスプレーを適切に活用しましょう。ただし30%DEET含有のものは国内での発売は早くても9月末以降です。長時間外にいる場合は、効果が切れる前に繰り返し使いましょう。環境にも気を配り、蚊が繁殖する水溜まり場はなくしておきましょう。
平成28年7月28日