オリンピック過剰興奮は危ない! 24時間血圧重要
いよいよ来月にリオデジャネイロオリンピックを控えて、出場選手も決まり、応援合戦を企画されている方も多いと思います。しかし、過度に熱すぎる応援は危険です。特に血圧コントロール不十分なひとは、前後でしっかりと睡眠をとり、落ち着いた場所で冷静に応援しましょう。
ドイツで開催されたサッカーワールドカップ開催中のドイツ国内における心筋梗塞などの発症した件数を見てみましょう。
ドイツの試合のある日に多く、特にライバルである南米アルゼンチンとの対戦日が、最も多くなっています。・・・「頑張ろう、日本。」
心筋梗塞などの心血管イベント死亡率と血圧との関係のグラフです。
死亡率に影響するのは、病院の診察室の血圧より、夜間血圧を含めた24時間血圧です。 夜間血圧を含めた24時間血圧管理の重要性が判ります。
血圧変動に伴う血流再分布が原因で起こる入浴前後での意識障害や心筋障害は有名です。
また最近では、Visit-to-visit(血圧変動性)が脳卒中リスクに関与するばかりではなく、アルツハイマー型認知症の発症リスクにも関与していることが判ってきました。血圧治療を行う際に、その患者さんの1日の血圧変動を評価することで、将来の患者さんのADL(日常生活能力)に大きな効果を生み出していくことが期待できます。
例にあげている男性は、起床とともに血圧が上昇する典型的な「モーニングサージ型」です。
そればかりか、日中午後になると仕事のストレスで、朝以上の高血圧が起きています。降圧剤は1日1回内服ではコントロールが困難で、朝食後と寝る前に違うタイプの降圧剤を併用することで、コントロールが可能です。家庭での血圧測定が重要なことは言うまでもありませんが、さらに1度、24時間の血圧測定を行って、心血管に負担のない安定した血圧を目指しましょう。クリニック受診時にご相談ください。
平成28年7月1日