デング熱?いや、チクングニア熱!
前回のニュースで迫るデング熱と書いてあったのに、チクングニア熱とはいったい何?と思わる方が多いと思います。実はデング熱同様に日本にいるヒトスジシマカが媒介するウイルス感染症で、以前からいつ国内で感染者がでてもおかしくないと言われていました。
上の図のようにこの5年間で患者が発生した国々が赤い部分です。それまではアフリカの1部、インド、東南アジアの1部でしたが、今ではフランス、サウジアラビア、中国、そして南米諸国や米国にも急速に広がっています。まさしくいつ国内で発生してもおかしくない状況です。
蚊に刺されて熱発、デングかも?と治療を受けていたら実はチクングニア熱だったということが十分あり得ます。症状だけでは診断がむずかしく、保健所を通して専門機関での検査が必要になります。デング熱と比較して、出血傾向はなく、四肢末梢の関節痛が激しく、リウマチのような関節の炎症が数か月持続することがあります。デング熱同様に根本的な治療はなく、症状を緩和する治療が主体となります。診断がつけば出血傾向がないので、鎮痛剤はアセトアミノフェン以外も使用可能です。日常生活への影響が少なくなるように上手く鎮痛剤を使いましょう。
予防するワクチンはなく、蚊に刺されないように気をつけること、虫よけスプレーを適切に(前回のニュースを参考に)使用することが重要です。
平成27年8月17日