身近に迫るデング熱 !

昨年は国内感染例162例を含む、計341名のデング熱症例があり、代々木公園が一時期、入園規制がひかれたことは記憶に新しい。現時点では報告はないものの、昨年も8月も終わりごろに約70年ぶりに報告となっており、また国外の状況を見ても地球温暖化の影響やグローバル化、都市化のあおりを受けて、海外でも8月から9月にかけて増える傾向にあります。

マレーシア、ベトナムでは昨年の同時期より1.3倍の患者数の報告です。世界で重症化して入院する患者は毎年推定50万人、そのうちの約2.5%が死亡しています。媒介するのは蚊で、国内にもいるヒトスジシマカや熱帯地方に生息するネッタイシマカが知られています。デングウイルスには4種の血清型があり、例えば1型に感染するとその抗体を獲得して、1型には一生かかりません。ところが、1型に罹患した人が次に2型のウイルスをもった蚊にさされると、最初に獲得した抗体が次に侵入したウイルス増殖を助ける抗体依存性感染増強現象 ( ADE : Antibody-dependent enhancement)が生じ、重症化することにつながります。

症状と異常検査所見

蚊にさされて3〜7日の潜伏期を経て急な熱発で発症します。上のグラフは国内556例の患者さんにみられた主な症状と検査異常の割合です。昨年の患者さんには2割の人に吐き気などの消化器症状も認めています。通常は1週間前後で軽快します。ところが解熱傾向を示すころに血管透過性亢進や血小板の減少に伴う出血傾向(皮下出血、鼻出血、下血、血尿)がでてくるデング出血熱などの重症化にいたることもあります。治療はあくまで対症療法ですが、経口の水分補給のみでは病態が悪化する場合は点滴が必要です。解熱剤は出血傾向を助長させないアセトアミノフェンを使います。

大切なことは予防ですが、4種の型を持ち、霊長類にしか感染しないウイルスに対するワクチン開発は簡単なものではありません。虫よけスプレーが必需品です。蚊が嫌う成分DEET(N,N-diethyl-3-methyl-benzamide):ディートの含まれたものがお勧めです。国内で入手できるのは写真の右側のような12%含有のものまでです。そのため露出された皮膚にくまなく塗って、持続時間は3時間強です。それ以上外出したり、汗で流れたときには再度使いましょう。神経毒性は認めないことが報告されていますが、6か月未満の子供には使用できません。蚊にさされないよう外出の際には上手に長袖の衣類を使いましょう。蚊の眼はモノクロで、黒に近い色はヒトと認識しますが、白い服のほうが寄ってこない性質があります。  

平成27年8月1日

 

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